風よ伝えて(爺さんのブラジル移住)第190段

庭の成果

 8月13日、日本ではお盆である。

 日本酒と稲荷ずしを位牌の前に御供えをした。

 日本に行ってから、京都の東本願寺に行くことにしている。

 今日は、久しぶりの雨で、草取りは休みにした。

 日本行きの準備の合間に、草取りは続けている。

 少しずつ、庭が変わってきているように思えるようになった。

 先日、父の日に、マチダ家に来られたおばさん達は、庭に下り、満開のマナカの近くに行き、しばらくの間、マナカを眺め、お話をされていた。

 家族以外の人が庭の下り、庭を眺めるということは、今迄なかったことである。

 庭の南のブロック前のグランドカバーが一色になり始め、犬のサニーが気持よく寝転んでいる。

 ネネは、それを見て、サニーの隣へ行き、仰向けに寝転び、グランドカバーを枕に、大きな声で歌を歌うようになった。

 保育園に行くようになったネネは、この頃、ポルトガル語で歌を歌っている。

 大きな声で、青空に聞かせている。

 きっと、日本で歌われる「春よ来い、早く来い♪♪♪・・・。」と同じような童謡かもしれない。

 「涙そうそう」は、あまり歌わなくなった。

 そして、2羽のハトが、草取りをする爺さんの近くに来るようになった。

 1メートルほどの距離まで、近づいてくる。

 爺さんが草取りをすると「ミミズ」が出てくる。

 これを食べに来ているようだ。

 丁度、日本の田んぼで、耕運機で田んぼを耕すと、その後ろをカラスや白鷺が耕運機を追っかけ、餌にありつく様子と同じである。

 この2羽のハトは、日本のハトより小さく、色は茶色の一色。

 私がブラジルに来て、庭作りを始めた頃からすでに、よく庭に遊びに来ている。

 マチダ家の隅にある竹藪に住みかを作っているようだ。

 初めの内は、今のように近くには来ず、少し離れたところで、餌を探していた。

 爺さんが動くと、パタパタと飛んで行ってしまっていた。

 それが、今は、爺さんが安全であると判ったのであろう。

 爺さんの行動などお構いなしに、堂々と餌を探している。

 可愛いもんだ。

 昔から庭にいて、庭の主かも知れない。

 可愛いから、名前を付けた。

 「ポッポ」と「クック」

 少しずつ、少しずつ、皆が楽しめる庭になりつつあるような気がしている。

 日本に行き、戻ったなら、また雑草が伸びていることであろう。

 しかし、がんばれ、爺さん!

       青空に ネネが歌うは 春よ来い

           子鳩も聞いてる 庭は和やか

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