風よ伝えて(爺さんのブラジル移住)第146段

心地良い南風

 爺さん、大変な間違いをしてしまっていた。

 ブラジルに来て、もうすぐ10ヶ月になる。

 その間、ずーっと間違いに気づかずに、書いてしまっていた。

 冬から春、春から夏。

 ブラジルの気候を書いてきたが、これは、ブラジルの気候でなく、グラルーリョスの気候だった。

 日本でも、北海道と沖縄では、気候が違うように、日本より広いブラジルでは、赤道に近い地域と南極に近い地域では、気候が違うであろう。

 今まで書いてきた気候は、ブラジルの天気気候でなく、グラルーリョスの気候と書かなくてはいけなかった・・・。

 サンパウロとグラリューリョスでも、同じ日の天気の状態は異なる日がある。

 私が書いてきたのは、グラリューリョスの天候と訂正しなくてはならない。

 今後は、そのように書いていこう。

 

 早速であるが、グラリューリョスでは15日に雨が降り、雨は2日続いた。

 断続的な雨であったが、静かな雨であった。

 雨が止んだ後は、気温は30℃を上回ることはなくなった。

 気温は、夜になると20℃近くまで下がり、長袖のシャツを着て寝るようにしている。

 朝方には薄い布団をかけるくらいである。

 そして、日中は太陽が顔を出していても、心地よい南風が大気を優しく動かし、草とりを捗らせてくれている。

 この南風は、私が移住してきて経験した、何とも言えない心地よかった風と同じ風と思う。

 あの「冬日和」を作っていた風と思う。

 グラルーリョスでは、この南風は1年を通して吹いているようだ。

 私にとっては、かけがえのない、有難い風である。

 草取りの合間の、ほんの僅かな時間に、顔を上げ、空を見上げる時に、南風は、体を包み、体の中の疲れを取り去り、また、やる気を起こさせてくれる。

 日本のベトベトした、生温かい風ではない。

 街中をあるいていても、この風に触れると、顔を天に向けて、目をつむる。

 こんな風を、いままでに経験したことはなかった。

 

        雨降りて 太陽だけの 空終わり

             木の葉を揺らす 風はさわやか

 

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