風よ伝えて(爺さんのブラジル移住)第145段
夏の終わりか
3月8日、土曜日、雨。
昨日の午前中は、空一面が灰色の雲に覆われた絶好の草取り日和であった。
朝、7時から草取り、暑くもなく、寒くもなく、蚊の寄付きもなく、順調に草取りが出来た。
午後は2時から草取りを再開した。
四時過ぎに雷が鳴り出し、風が出てポツポツと大粒の雨が降り始めた。
風は、樹々を激しく揺さぶり始めた。
激しい、雷光、雷鳴・・・。
10分ほどの雨で、庭は雨水に浸かり、庭の低い場所に生えている10センチくらいの背丈の雑草(黒玉インベーダー)が見えなくなった。
今迄、庭に雨水が溜まったことはあったが、こんなにも深く溜まったことはなかった。
庭の西側はブロック塀が作られ、庭の地面に近い部分に一10センチほどの穴をブロック塀を割って作られている。
雨水は、その穴を通り、ブロック塀の外側に流れている小川に落ちるようになっている。雨水を庭から小川に流れ出させることができるのはここだけである。
大雨になれば、小川の水位が増し、雨水は庭に逆流してくる。
雨は、強くなったり、弱くなったりしながら降り続き、私が眠った九時頃まで雷鳴は聞こえていた。
サンパウロの土地が低い場所にある道路では、また冠水があったと報道されていた。
この雨は今日の朝も降り続いている。
猛暑になる前に降っていた「夕立もどき」とは違い、長雨になるのかな・・・。
「カーニバル」の間には雨は降らなかった。
おひさまは「カーニバル」を見ることができ、思う存分楽しんだであろう。
「カーニバル」が終わった日から、少しずつ雨を降らし、「もう、カーニバルを充分堪能することができた。ゆっくり休もう。」とおひさまは休みを取ったようだ。
私なんぞは「カーニバル」に連れていってもらえず、草取りをしていただけなのに・・・。
雨は、激しくはなく、静かに今も降っている。
二階のベランダから庭を見ると、溜まっていた雨水は、あのブロック塀の小さな穴から小川に流れ出し、雨水に浸かっていた雑草が見えはじめている。
もう、夏は終りか・・・。
私は、ジーパンと長袖といったいでたちである。
庭は、夏の勢いで、雑草達が伸びてしまった部分がある。
掘起し作戦で掘起した場所がだんだん多くなってきている。
その分、草取り追試作戦をする場所が増えていく。
草取り追試の始まりであった「黒玉」「白玉」「黒玉インベーダー」は、いま、どのようであるか?
庭の場所によっては、もう草取り追試は四回を数える場所がある。
地下に潜んで活動をし続ける球根は、だんだんと少なくなってきている。
「漸近線」を描くように減ってきている。
放っておけば、またもとの状態に戻ってしまうのは必至である。
折を見て、丁寧に球根を取り除くしかない。
「一球入魂」
私にとって、「一球入魂」は、地中に潜んでいる球根を、1つ1つ丁寧に掘り上げるという意味に変わってしまっている。
球根ばかりではない、庭に落ちこぼれる種は、球根同様に曲者である。
先ほど書いた庭の西側で、小川のある場所には、大きな木が生えている。
ブロック塀の外側に生えているが、長くて太い枝が沢山庭に突き出している。
昨年の10月頃にその大きな木から、5ミリにも満たない小さな白い種が花吹雪の如く、庭に散っていた。
その種が発芽し、庭の隅一面を覆っている。
この種が庭に降るのを阻止する方法は見当たらない。
10メートルを超す高さの高木である。
毎年、発芽してくる新芽を、丁寧に取っていくしかない。
また、球根ではないが、一年草のカヤツリグサなど、庭に生えている雑草の種がこぼれ、発芽する。
雑草が、タネを作る前に駆除すれば、それで済むことである。
けれども、まだまだ雑草が多すぎて駆除出できずに、種が庭に落ちて、集団で発芽してくる。
私が、昨年、ブラジルに来る前に庭に落ちた種もあるはず。
これも、丁寧に種がこぼれる前に駆除できる体制を取らなくてはならない。
ブラジルの草花は、1年周期で花が咲き、種が出来る日本と違い、1年に幾度かの周期を持っているものがあるように見える。
カヤツリグサもその1つであるようだ。
1年経たずに、発芽している。
ゆっくりでよい、根気よく、取り除いていこうと思う。
庭の隅から時計まわりに円をかきながら、草取りをしている。
今、野芝が生えている場所に差し掛かっている。
この野芝は、駆除が可能と、爺さんは楽観視している。
ほんとに出来るか?
「出来ると思う。」と、爺さんは、思っている・・・。
今、午後二時になるところ。
雨が止んだ。
「さあ! 草取り開始! 元気よく! 1、2、3」
ラジオ体操ではない・・・。
草取りは まだまだ続く 今日もまた
いつかはきっと 見事な庭に
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