風よ伝えて(爺さんのブラジル移住)第117段

朝顔の花

 インターネットでは、日本の上空には、寒気が停滞しているといっている。

 そのことが、非常に懐かしい。

 お正月は、寒いものだと思っているからである。

 ブラジルは今、夏になっている。

 ブラジルの夏は、どのようなものか、まだわからない。

 朝は、日本の高原にいるように、心地よい。

 しかし、天候は、全く不順といってよい。

 大晦日の3日前と、2日前に続けざまに雨が降った。

 風が吹き始め、雷が鳴り、雨になった。

 雷は、日本では見たことがない長く、太く、そして明るい稲光を放し、1時間以上も鳴り続けた。

 雨は大粒で、庭のブロック塀が薄っすら見え、庭の外の風景は雨で白く霞み、見えなくなっていた。

 10分ほどで庭がプール状になってしまった。

 2階のベランダの戸をあけると、大粒の雨が床を強くたたき、開けていることができまかった。

 やがて来ると思われる大雨の予行演習のような、強い雨であった。

 伯の話では、「このくらいの雨が降るのは、まだ、おとなしい方だ。」とのことであった。

 グラルーリョスから1,600キロも離れているブラジリアの近くに住んでいる伯の伯父さんの話では、20日も雨が続き、住居の一階部分が水に浸かり、死者が出たとのことであった。

 これが、ブラジルの夏なのか・・・。

 積乱雲はなく、ぽっかりと綿菓子が浮かんでいる。

 蝉しぐれを聞くことはできない。

 庭にいたてんとう虫や、樹々の枝でさえずっていた小鳥は少なくなっている。

 サビアも時たま、遠くでさえずっているだけである。

 みんな、暑さをしのぐために、何処かに潜んでいるのだろうか?

 グラルーリョスには、まだ洪水はきていない。

 いつもの年より、雨は少ないという。

 

 朝顔の花。

 日本の夏を思い出させてくれるのは、朝顔の花。

 私が見つけることが出来た、日本の夏はこれだけのようである。

 マチダ家に近いスーパーマーケットの金網で出来た外壁には、少し小ぶりの可愛い、清楚な朝顔が見事に咲いている。

 長さが100メートルはある塀に見事にぎっしりと咲いている。

 日本の浴衣の夏を思い浮かべることができる。

 私が感じた日本の夏である。

 朝顔の花言葉は「愛情」で、誕生花にもなっている。

 何を爺さん、少女趣味に誕生花だと・・・。

 ちなみに、私の誕生花は「ボケの花」である。

 ボケないように、頑張って生きてみよう・・・!

 また、私のメールアドレスは、このボケを使わせて貰っている。

 ちと、話がずれてしまった・・・。

 ブラジルの夏、まだまだ入り口である。

 何が起こるか、わからない・・・。

 朝顔が 南の風に 首を振る

             遠き故郷 夏の香が

強く降る雨。

カメラレンズめがけ、降る雨。

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