風よ伝えて(爺さんのブラジル移住)第110段
運転免許技能演習
連日の晴れ模様である。
おすそわけ程度の数の綿菓子が、青空に浮かび快晴である。
南の風は、木々の葉を優しく撫でる程度に吹いている。
暑さは感じられず、心地よい。
朝9時、リベルダージ、左ハンドル。
シートの位置よし!
バックミラー、サイドミラーよし!
シートベルトよし!
エンジン起動、ギヤーは、ロー。
ウインカー点滅。
発進!
スズランの街燈をくぐり抜け、心地よく、颯爽と走り抜ける。
・・・・・・・・・・・・
と、今日の演習をこのように思っていたが・・・。
とんでもない、私は助手席、伯は後部座席そして、運転席を陣取ったのは、演習の教官であった。
そんなはずでは・・・。
いいえ、現実はそんなに甘いものではありません。
発信した。
演習の教官は、私の代わりに、颯爽とリベルダージを走り、そして、走り抜けた。
まだ走る。
伯と教官は、ポルトガル語で話していた。
私にはわかりはしない。
今からきっと、車の通りの少ない場所に行くに違いない。
そう思った。
こんな風に、運転され、何処かに行こうとしているのには、私だけでなく、誰でもそう思うであろう。
10分ほど走り、静かな住宅地に着いた。
車の通りは、少ない。
やはりそうであった・・・。
「運転席に座れ。」の指示が出た。
伯が通訳してくれた。
前述の発進前の点検をし、ウインカーを出し、発進した。
怖くは、なかった。
日本では、オートマチック車に乗っていたので、マニュアル車は馴れていない。
マチダ家の庭で練習したので、何とかシフトチェンジすることが出来た。
ロー、セカンド、サードと快調に入れ、上り坂では、セカンドにシフトし運転できた。
「ジレータ」といわれ、右折した。
「ジスケルタ」といわれ、左折した。
ポルトガル語が判ったのである。
これは、テテ達と高速道路を走っているときに、前方にカーブがあることを示す標識に、絵で右カーブ、左カーブを表し、その下にポルトガル語で書かれている言葉を誰にも言わずにこの日のために、私は憶えていたのです!
そして、1キロもないと思われるコースを走り終えた。
その中には、上り坂での停止があった。
何とか、エンストせずに発進できた。
日本にはないが、一般道では、速度を出しすぎないようにするために、半円筒系の高いもので20センチもあるコンクリートの山が道路を横切っていて、そこを通るには、速度を落とし、ゆっくりと走り抜けないと、車がジャンプしてしまう。
そこも、うまく通り抜けることが出来た。
上出来であった。
と、思ったが、教官のコメントは厳しかった。
ハンドルの持ち方、クラッチの使い方など。
ハンドルは、片手ではなく、両手で「ハ」の字の形。
クラッチは、シフトチェンジの時だけで、半クラはなし。
それから、列記すると、クラッチは、試験の時はセカンドまで、速度は30キロ以下で・・・。
そうだったら、先に、言ってくれ!
でも、反発しては居られない。
2回目の運転開始、そして2回目が終了した。
指導を受けた項目を頭に入れて運転した。
1回目より、はるかにうまく出来たと思う。
それでも、クラッチの使い方を指摘された。
3周目をこなし、今日の演習は終りであった。
何と、15分足らずの時間であった。
帰り道、私はまた助手席であった。
伯と教官は、またポルトガル語で話していた。
私は、横目で教官の運転する姿を追ってみた。
片手運転をしていたのであった。
もう1回演習がある。
その日と時間は、電話で連絡してくるとのこと。
料金の割には、余りにも演習の時間が短いと思った。
颯爽とリベルダージを走り抜けることは出来なかったが、私自身の気持としては、「今日のところ、合格」としておこう。
初めての 道路運転 無事終わり
何とかなるか 運転免許
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