風よ伝えて(爺さんのブラジル移住)第105段
草取り追試
ブラジルに来て、7ヶ月が過ぎた。
11月半ばに35℃を超す日が数日続いた。
草とりをしていて、太陽に照らされ、低い椅子に座り、足を曲げて草取りをしていると、ジーパンの膝の部分が強烈に熱くなってきた。
少し足を動かし、ジーパンと膝を離してやらないと、火傷をしそうなくらいの暑さである。
今までは風があり、汗はすぐに乾き、汗が額から落ちることはなかったが、風が無くなり、汗かきの私の額を汗が、流れ落ちるようになってきた。
もう、夏になるのだと、思った。
ところが、この1週間は、また、雨が多く、気温が20℃くらいに下がっている。
雨は、降ったり、止んだりである。
昨日の天気は、午前中だけは雨がなかった。
草取りをし、昼になり、食事をし、休憩をしていた。
突然、とてつもない大きな音で雷が鳴った。
きっと、近くに落雷があったに違いない。
昼寝をしていた4匹の猫達が、びっくりして目を覚まし、いっせいに雷の音が聞こえた方をじっと見ていた。
見ている方向、見ている顔の角度、そして、4匹ともビクともしないで、釘付け状態であった。
このような光景を見るのは初めてで、滑稽に思った。
そして、雷の後は、土砂降りの雨に変わった。
雨が降っていない曇り空の中で、草取りをしているが、その時間は短い。
すぐに、また雨が降ってきている。
なかなか草取りの時間が取れない。
草取りが遅れていく・・・。
遅れていく?
おい、爺さん、遅れていくとは、目標があってのことではないかな?
爺さん、目標は持っているの?
・・・・・・・・・。
今、私は67歳である。
誕生日は、2月である。
70歳の古希まで、あと2年と2ヶ月。
それまでに、フェンス、通路、植樹を終え、グランドカバーの手入れをするくらいにはしてみよう。
ゆっくりで、良いではないか。
さて、「掘り起こし作戦」で、庭の入口あたりが終わっている。
ここで新しい曲者が登場してきた。
「掘り起こし作戦」で、無草状態にしたが、次々に新しく生えてくる。
それも、多くは1種類の雑草である。
元気が良い。
早めに1回目の「草取り追試」をした。
これは、すごい繁殖力をもつ雑草と判った。
「カヤツリグサ」の一種である。
私は「カヤツリグサ」を一年生植物で、種子で増える物と思っていたので、余り根の方を重要視していなかった。
小豆大の黒い球がついては来ていたが、一年生植物であるから、球根とは思わなかった。
ところが、取ったはずの場所から、元気よく、どんどんと生えてくる。
草取り追試を始め、また「掘り起こし作戦」を敢行すると、黒い小豆大の球根が沢山出てきた。
しかも、髪の毛ほどの細くて、黒い根の先には、また黒い球根が付いている。
土にまみれていて、判りづらい。
指先で、土をつぶしてやると、小豆大くらいの硬いものがあることが判る。
また、黒い根をゆっくりとひっぱってやると、その先に球根が付いている。
土の中で、それがどんどん広がっているようだ。
1つの球根から四方八方に水平方向に細い根が伸び、その先々には、球根が付き、またその球根から細い根が出て、何処までも続いている。
まるで、世界中のコンピュータがネットワークで繋がれていると同じような繋がり方である。
ネットワークの色々なデザインは、ここからきているような感じとも思われる。
そして、その小豆大の球根は、感覚的には「インベーダー」のように見える。
インターネットで調べてみたら、「カヤツリグサ属」というのがあり、これは多年草で、球根を持ち、ランナーが地上と平行に伸び、その先にまた球根を持つ。
その名を、「栄養繁殖集合体」とある。
これである。
前段の「黒玉」、「白玉」が曲者と思っていたが、これより厄介な奴である。
命名しておこう。
「黒玉インベーダー」。
この3つの球根を「悪玉三羽烏」としていこう。
「草取り追試」を始めて、その効果を見ているところである。
まだ、一色にはなっていないが、何度も、何度も草取り追試をすることで、一色にしたい。
数学の勉強は、「比例、反比例」を終えて、図形の分野に入っている。
草取り追試が、ちょうど勉強を終えた「反比例」の「双曲線」のグラフように、早く綺麗な「漸近線」となって、一色のグランドカバーになるようにしよう!
インベーダー そうとは知らず 掘り起こす
後でびっくり 草取り追試
庭のかやつり草。
黒い球根があり、根のどこからでも、球根を作る。
0コメント