風よ伝えて(爺さんのブラジル移住)第94段
追試作戦の開始
日本から持ってきた、「チャート式数学」は、中学1年で勉強する一次方程式が終わり、一次関数のグラフの章の勉強に入った。
ゆっくりであるが、続けていこう。
一次方程式では、「食塩水の濃度」、「距離、速さ、時間」、「割合」などの問題があり、昔と変わっていないのが、懐かしかった。
解答のポイントは、まだ、憶えていた。
中学校1年生の問題だから・・・。
「食塩水の濃度」の問題は、どうして、私たちの時代から今でも、食塩水なのか?
砂糖水の問題が、一問くらいあっても良いと思うが・・・。
まさか、中学生に、ピンガの濃度の混合の問題はないのが当然。
数学は、好きな科目であったので、続けられそうである。
ところが、高校時代の文科系の科目の、特に外国語は全くダメであった。
新学期になると、「さあ、やるぞ!」と参考書、問題集を買い、新しい気持になっていたが、文科系の参考書と問題集は、時が経つにつれ、埃が積もるような状況であった。
単語を1語1語、憶えていくことが、全く、苦手であった。
詰まる所、高校の卒業試験の英語で、私は、追試験を受ける結果になってしまった。
英語担当の教師は寿々代先生といい、優しいところは優しく、厳しいところは厳しいと、ケジメのある、可愛いお婆ちゃん先生であった。
お婆ちゃん先生であったが、考え方は、若々しかった。
みんなに好かれ、学園ドラマの主人公にしてもよさそうな教師であった。
赤点を取り消すために、追試として、私は1週間、英文で日記を書くことになった。
中学生くらいの英語の能力しかなかったので、きっと、簡単な英文で終わっていたと思う。
「今日、7時に起きた。
朝食を食べた。
学校へ行った。
勉強した。
家に帰った。
夜になった。
そして、寝た。」
これくらいの事を書いていたのであろう。
それでも合格としてもらえた。
花丸の合格ではなかったが、花も咲かない枯れすすき合格であった。
寿々代子先生の「大学に入ったら、頑張って!」の励ましの言葉に応えられず、その励ましに反した大学生活であった。
「寿々代子先生、すみませんでした。」
庭の草とりで、8月から始めた「全面赤土掘り起こし作戦」は、続いている。
庭には、幾種類もの雑草が生えている。
場所によって、雑草の生え具合が異なり、すんなり草とりができる場所と、そうでない場所がある。
「ノシバ」、「メヒシバ」が密集して生えている場所は、時間がかかり、はかどらない。
「タンポポ」、「オオバコ」などの多いところは、どんどん草を取って行くことができる。
今までに、この掘り起こし作戦で、庭の20%ほどの場所の草とりが終わった。
草とりは、地表から2、3センチくらいのところの土を、ネジリ鎌で掘り起こし、掘り起こした赤土から、雑草を1本、1本外してきた。
その場所に、グランドカバーの「ディネイロ エム ペンサ」を移植したが、2ヶ月が経ち、また雑草がペンサに混じって、大きく育っている。
「全面赤土掘り起こし作戦」で、雑草が1本も生えていない場所にしたのだが・・・。
その雑草はおもに、2種類の雑草である。
他の種類も生えてきてはいるが、それほど問題にしなくてすむと思っている。
問題の2種類は、日本で見たことがない。
名前は知らない。
2種類の雑草は、10センチほどの細長い葉形をしている宿根草である。
1つは、小さな黄色の花を咲かせる。
そして、球根は、黒い皮があり、中が白い。
球根の大きさは、大きいもので、パチンコ玉より少し小さい。
この作戦でも、球根の上で茎を切ってしまう物が多い。
地下5センチを超すところに、球根をつけているものもたくさんある。
ネジリ鎌で耳かきをするように、赤土を地中深くほじっていく。
それでも、何処にあるか、土に隠れてしまうものがある。
もう1つは、白い球根で、その大きさは、大きくても米粒くらいである。
こちらは、小さな白い花を咲かせる。
その球根が、まだ芽を出していない自分より小さな球根を、幾つも自分の周りに増やしている。
10個も、20個もつけているものがある。
球根のある位置は、深くはない。
ネジリ鎌で土を掘り、雑草を土から外そうとすると、生まれて間もない白い小さな球根が、ポロポロと地面に落ちてしまう。
そして、土に同化してしまい、居場所がわからなくなる。
取り損ねてしまう。
この2つの雑草は名前を知らないので、前者を黒い球根であるから、「黒玉」、後者を白い球根であるから、「白玉」と名前を付けて、書いていきます。
掘り起こし作戦で、雑草が1本もないようにした場所に、この黒玉と白玉が新しく芽を出してくる。
多いところで、1メートル四方に、20本から30本くらい生えてきている。
黒玉の球根が、地中の深いところにあるので、やはり、黒玉が1番多い。
「追試作戦」の開始である。
掘り起こし作戦が終了した場所に生えてきた雑草は、もう1度、取り直しである。
取っても、取っても、2度、3度生えてくる。
何度も、何度も、新しく生えてきた雑草も1本、1本取り除いていこうと思っている。
何度もやっていれば、だんだん少なくなると信じてやっていこう。
この黒玉と白玉が、1番やっかいな雑草と思える。
最後まで残ると思う。
卒業試験の英語の追試験を、思い出してしまったのです。
まさしく、草とりは追試験である。
今度は、何度も、何度もやってくる追試験である。
1語、1語、憶えなければならなかった単語は、憶えなかったけれど、今度は、1本、1本、雑草を取り除いていこう。
草とりが終わる時が、どこかわからないが・・・。
そして、いつかは花丸の合格を自分自身に出そうではないか。
何時までも健康でありさえすれば、続けることができる。
そう思って、明日も頑張ろう!
今日明日も 生え来る雑草 取り除く
いつかはなせる 場所を一色
※明日から、ブラジルは夏時間になる。
1時間、時計を早め、今日は寝ます。
「おやすみなさい。」
1本も残さずに雑草を取った後、2週間ほどでまた、写真のように雑草が生えてくる。
ツンツンとした細長の葉の雑草が、地中に黒い球根を持つ「黒玉」である。
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