風よ伝えて(爺さんのブラジル移住)第88段

春になりました


 ブラジルは、暦の上では、春になりました。

 いままで、日本で迎えてきた春とは違う。

 どこが違うか、何と言おうか・・・。

 「春欄満」という言葉は当てはまらない。

 ブラジルでは、8月に桜はすでに咲き、9月の終わりの今は、もう葉桜になっている。

 「春一番」は吹いたのか?

 それは、ない。

 風の向きは変わったのか?

 それも、ない。

 私が見つけた、ブラジルの春、それは・・・。

 日が経つにつれて、樹々の葉が明るい色になってきている。

 冬の樹々の色は、日本の葉の色より暗く感じていた。

 それが、だんだん明るい新しい葉に変わってきている。

 「ブーゲンビリア」は冬でも咲いていたが、その色彩が、今は冬に比べ、明るく変わっている。

 街中に咲いていた花木の花も、明るさを増してきている。

 春が来たとは、街中の樹々が若葉に囲まれたことと、小鳥の鳴き声くらいしかないように思う。 

 「つくし」や「野菊」などはない。

 ブラジルの春は短いと聞く。


      木漏れ日に 映る若葉に 小鳥たち

           春の香りに 浮かれ囀る


 ※「『6月の空と樹々』の段で、冬が来たのは、風が吹く方向で判った。」と書いたが、それは、数日の間、風向きが変わっただけであった。

 ブラジルでは、季節風(?)ないようです。

 ブラジルの季節は、1年間過ごしてみないとわからないという気がしてきた。

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