風よ伝えて(爺さんのブラジル移住)第73段

4ヶ月が過ぎた


 ブラジルに移住し、4ヶ月が過ぎた。

 フライパンの上の、あちらこちらで飛び跳ね、びっくりしているポップコーンも、もうあまりびっくりしなくなり、落ち着いている。

 飛び跳ねる種は、ポップコーンの下に隠れて、静かにしている。

 もう、蓋をとっても、フライパンの外に、飛び跳ねる心配が、無くなっている。

 プロパンガスの、火を落とそうか・・・。

 ブラジルには、ブラジルの風が吹く。

 その風に、心地よく、包まれようではないか。

 びっくりすることもなくなり、平穏な、幸せな毎日である。

 そのフライパンの横には、2つの鍋が空っぽのまま、置かれている。

 ガスの火さえ、付いていない。

 

 いっそうの事、「自分の能力の無さ」を食材にして、鍋に突っ込み、蓋をしてしまえ。

 蓋をして、自分の能力のないことを、隠してしまえ。

 そして、勝手に言い訳をしてしまえ・・・。

 「ポルとガル語」、「運転免許」の鍋である。

 ポルトガル語は、少し始めてみた。

 NHKの「ブラジル、ポルトガル語入門」という本を、日本から持ってきている。

 始めてみた。

 挨拶は、できるようになった。

 その挨拶は、日常会話の挨拶であった。

 しかし、びっくりした。

 丁寧語の挨拶が、次のページで出てきたのである。

 「ノッサ セニョリータ」(意味は、後述)

 そんなの、あり?

 伯に聞いた。

 「ポルトガル語は、難しい。」

 たちまち、戦意喪失。

 もういいか・・・。

 ブラジルでの生活が4ヶ月たった。

 ポルトガル語を話さなくても、生活出来ている。

 日本語が通用している。

 判らないのは、ネネの「スズキサン%$%#!。」だけである。

 ネネでも、この頃は、私に「おはよう」「おやすみ」と日本語を話すようになってきている。

 そんなに不自由は、していない!

 あわてなくても、良いと思うようになった。

 運転免許は、情報が乱れている。

 日本語版インターネットで、サンパウロ日本総領事館のページの内容と、同じサンパウロの日本総領事館から、メールで貰った内容が、全く違っている。

 どのようにして、運転免許証を手に入れるかは、混沌としてきている。

 近いうちに、サンパウロの交通局に行って、しっかり聞かないと、判断できないところに来ている。

 片方は、運転の技能テスト、片方は、ポルトガル語のペーパーテストとなっている。

 ポルトガル語のペーパーテストであれば、どうしようもない。

 どちらにせよ、車の運転は、日本と比べ、怖い気持でいっぱいである。


       風任せ 幸せな日々 今日もまた

            我が話す言葉 日本語ばかり


 ※「ノッサ セニョリータ」とは、ブラジル版「オーマイ ゴッド」である。

  「なんてこった、大変だ。」という時に使う。

  ネネは、カテーテルの手術を終え、帰宅した。

  元気で、変わらずに歌い始めている。

  こちらは、「ノッサ セニョリータ」でなく、「オブリガード、ノッサ セニョリータ」である。

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