風よ伝えて(爺さんのブラジル移住)第62段

ボケ防止


 引越しの荷物の中に、6冊の本を入れて、ブラジルに持ってきた。

 中学1年から、高校3年までの、チャート式の数学の参考書である。

 ブラジルに来ることを決めた時から、ブラジルでボケたら、周囲に迷惑をかける。

 その対策をどのようにしようか、いろいろ考えた。

 日本の或る作家の全集を持って行って、読む。

 それでよいか?

 私の事だから、読んでいても、文章を理解せずに、眠くなって、子守唄的存在になりかねない。

 頭の体操にならないと、この案はやめた。

 考えた末、少しは好きであった数学の勉強をもう1度、やってみようと思った。

 どのくらい記憶に残っているか、また、細かいところの注意力が、まだあるのかを確かめながら、ボケ防止ができるのではなかろうかと。

 始めました。

 中学1年の参考書である。

 中学に入り、初めに教わった、「正の数、負の数」である。

 甘く考えて、中学1年の問題であるから、簡単にできると思って1問目を解いてみた。

 1問目から、間違ったのである。

 私の今の頭の構造は、中学1年の「問題」を解くことも出来なくなっているようだ。

 私が間違えた個所は、「自然数」というものが「何か」を問う問題であった。

 自然数の中に、『0』を入れてしまったのである。

 小さなことではない。

 私には、この「自然数」という言葉は憶えているが、その中身を忘れている。

 これが、ボケなのであろう。

 大雑把で、細かいところがだんだん抜けていく。

 「方程式」、「三角関数」、など、言葉は憶えているが、その中身はどうか、疑問になってきている。

 その言葉すら、忘れてしまう。

 それが、ボケ。

 今から高校3年までのことをやり直すに、たくさんの忘れたことがある。

 名前が憶えられない、名前が出てこないと同じように。

 ボケ防止のために、やってみよう。

 ゆっくりでかまわない。

 周囲に、迷惑をかけないように、頑張ろう。



      懐かしい 参考書開け ボケ防止

               我の記憶は いかがなものか

ゆっくり、ゆっくり・・・・。

やれるかなあ・・・・!

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