風よ伝えて(爺さんのブラジル移住)第52段

荷物が届いた。


 引越しの荷物は、どこの港を経由してきたかは知らない。

 荒波越えて、遠いブラジルまで無事に到着した。

 マチダ家に届いたのは、7月5日である。

 ダンボール箱ということで、少し心配をしていたが、荷崩れがなく、しっかりした姿で到着した。

 「がんばったね・・・ダンボール君!」

 引越しの車からの荷おろしが終わり、懐かしの品物とのご対面である。

 食卓、洗濯機、本棚、そして本・・・。

 日本の思い出、匂いが懐かしかった。

 ティッシュシュペーパーも出てきた。

 (何故、ティッシュシュペーパーにこだわるかは、あとで・・・・)

 解体した物は組み立て、部屋の中は日本で生活をしていた頃の風景に変わってきた。

 「これもある、あれもある。」

 嬉しかった。

 

 確かに、ブラジルで購入した方が安くすんだ物もあったが、思い出の品とは、価格ではないと感じた。

 懐かしい。

 また、ティッシュシュペーパーにご対面した時は、「御苦労さま、遠いところを。」と言いたくなるほど、懐かしかった。

 ブラジルでは姿を見ることができないのである。

 販売されていない。

 ティッシュ君の入った箱を見るのは、久しぶりなのである。

 ただ、ポケットティシュ君には、買物の時に、お会いしている。

 1つ、何と! 250円である。

 日本の街角で配られている、ポケットティシュがである。

何もかも置いてこなくてよかった。

 日本では簡単に手に入れることができても、ブラジルでは困難な物がある。

 それらの一例としてティシュ君に登場してもらった。

 伯が日本で使っていた物を、捨てずに持ってきたいと思った気持が、ブラジルで生活を始めてから、少しずつわかってきている。

 まだ、半分くらいの荷ほどきである。

 御対面する彼らとの再会は、日本で過ごした日々を思い出さてくれるに充分である。

  

      はるばると 海原超えて 着きし荷物を

                 開けて懐かし 日本の香

ここに写っている向かって右の棚の上の薬以外は、全て日本から持って生きたもの。

棚(全部、解体して持ってきた)、旧型テレビ、木彫りのこけし、人形(顔が映っていないプーさんも)、左下の体重計、

全てです。

この食卓も、解体し、ダンボール歯箱に詰めた。

冷蔵庫以外は、日本から持ってきた。

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