風よ伝えて(爺さんのブラジル移住)第39段

デモが広がる


 公共のバスと地下鉄の運賃の値上げ反対のデモが、拡大している。

 コンフェデレーションカップが開かれているサッカー場の周囲にも、拡大しているようだ。

 街中を走るバスのフロントガラスには、新しい乗車料金が紙に書かれ、貼られている。

 即席に作られたものにちがいない。

 人は乗っている。

 デモ隊はバスを焼き、また逆にゴム弾を浴びせられて、負傷者が出ているとの報道である。

 大統領は、「あなたたちの言う事はもっともである。」と、言うようなことを発表して、デモ隊を肯定する発言である。

 「あなたたちが言っていることは、もっとも。」と言うなら、何故値上げをきめたのか。

 デモは若者が主体で、「ワールドカップやオリンピックで金を使うなら、教育、医療に使って欲しい。」との要求である。

 日本と2つのことで比べてみよう。

 日本のオリンピックは私が大学に入った年である。

 その頃の日本は、まだ本格的な高度成長期には、入っていなかった。

 白黒テレビに洗濯機で、私の家庭では冷蔵庫はなかったと記憶する。

 勿論、車は、私の家庭にはなかった

 今のブラジルは、日本がオリンピックを開催した頃にくらべれば、恵まれた環境になっていると思われる。

 但し、それは物質的なことに関してである。

 貧困層がどの程度かは、まだ私にはわからない。

 今回のバスの賃上げのデモに、貧困層がこぞって、または主体となって、参加しているのであろうか?

 貧困層でなく、日本の昔の若かりし頃の社会への闘争と同じなのか?

 もう1つは、このデモの裏には、政治的な意図があるのか。

 ブラジルは、来年に大統領の選挙を控えている。

 現大統領の反対政党が、デモを操っているのか?

 ブラジルの現政権は、労働者側に立つ政権であるのに。

 ブラジルは日本と違うという。

 政権が変わると政治の根源が変わるとも。

 弟のキヨカズは弁護士で公務員であるが、政権が変わると組織が変わり、職がなくなるかもわからないともいう。

 日本は政権変わっても、何が変わったのか?

 ブラジルの人と日本の人との間に、政治に対しての考えが違うのか?

 日本では、電気料金の値上げがあってもデモはない。

 この違いは何んだろうか?

 私にとっては難しい問題である。


        一握の 幸せのため 人々は

              明日のために 今日を戦う

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