風よ伝えて(爺さんのブラジル移住)第10段

女房のこと

 女房をめとらば若くして、みめかわいくて情熱的で。

 「才は、たけてはいないだろう、みめうるわしいかどうか・・・、情けでなくて、南国生まれで情熱的でよく動く。」としておこう。

 女房との馴れ初めなど、書く歳でもあるまいに・・・。

 

 そんなことより、女房は私のことを「ビリン」と呼ぶ。

 何の意味かと聞いたら、意味はないがそう呼ぶことに決めたそうだ。

 そうならそれでもいいと思った。

 それならと・・・

 「ブラシル」という名は、赤い染料の原料であった樹「パウ ブラジル」の産地であったことに由来する。

 ブラジルは「赤い国」である。

 ブラジルは漢字で伯刺西爾と書く。

 伯はニンベンに白。

 ブラジルを漢字で書くと「白い国」になる。

 「赤白」でめでたい。

その「伯」は白い心(透き通る心)で優しい人と勝手に解釈するが、まんざら間違いとも思えない。

 

 私に「ビリン」という名前をくれた女房に「伯(ハク)」という名前をあげよう。

 この記録の中の今からは、そう呼ぶことにする。

 何もかも 手の温もりが 伝えたり

    いつもいつでも またいつまでも

 

 これで家族の紹介は終わりです。

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