風よ伝えて(爺さんのブラジル移住)第485段

やまぐちさんちのおじいちゃん


 前段に続いて、リベルダージ、沖縄会館のカラオケ大会である。

 “やまぐちさんちのつとむくん♪♪・・・・このごろすこしへんよ♪♪・・・・どうしたのかな♪♪”なんて、歌がある。

 それが・・・“やまぐちさんちのおじいちゃん♪♪・・・・このごろすこしへんよ♪♪・・・・”なんて思わせてもらえるようなお客さんが、我が陣営に前においでになられた。

 お客さん、“%$&*&・・・・・%$#&???”とポルトガル語で。

 爺さん、いつものとおり、“ポルトガル語が判りませんので・・・・”と日本語で。

 お客さん、日本語で会話を始めていただく。

“佃煮とは、珍しいなあ・・・・”

 イリコ(タツクリ)、ワカメ、シイタケ、シメジ、コンブの佃煮、そしてALHO NEGRO,ふりかけトンガ、生姜糖とたくさんの品物を買っていただいた。

 そのあと、お客さんに“日本人?”と聞いてもらえた。

 ”そうです、ブラジルに来て、まだ4年半です。ポルトガル語はさっぱりです。“

 “どこの出身?”

 “愛知県です”

 “俺、長崎”

 “長崎、いいところですね・・・・一度行ったことがあります。オランダ坂、村上天主堂・・・いいですね”と、一度だけ行ったことがあるだけで、あまり知らないが、知ったかぶりで、爺さん、返答。

 “チャンポン、美味しかったですよ”と爺さん。

 お客さんが、“俺、チャンポン、嫌いなんだ・・・・”

 あれれ・・・・話が、まずかったかな・・・・・

 お客さん、“俺、25年前に、た〇よ〇漁業の船で、ブラジルに来たんだけれど、船が座礁しちゃって・・・

 サントスに降りたんだ。

 船の修理の費用を貯めて、2年で修理し、日本へ帰る予定だったんだけど、修理の金を全部、使ってしまって、帰ることができなくなって、そのまま、サントスに住むことにしたんだ。

 面白可笑しく、ブラジルに住むことになった理由を“座礁”という言葉で、婉曲的な表現で、話されているような気がした。

 続けてお客さんが、会話を続けられる。

“サントスは、いいところだよ。

 海に行くと、ボインボインのお嬢さんが、わんさ、わんさ・・・・たまらんよ・・・・・

 何もつけていないんだよ・・・・“

 爺さん“いいですね・・・・”と鼻の下を長くして、相槌・・・・

 “日本になんか、帰ったら、お〇ん〇んが萎んで、可愛そうなもんさ・・・はっはっは・・・”なんて。

 “はっはっは・・・・・”鼻下長くした爺さん、相槌。

 お客さん、私と同じくらいのお歳、背丈、腹回りも同じくらい、足の長さは、言うまでもない。

 同じ、戦後っ子であろう。

 ブラジルでの駐在後、そのまま、ブラジルに住まわれたのであろうと想像する。

 買い物のお客さんは、買った品物を一時、我が店に預けて、お帰りになる時に取りにみえることがしばしばある。

 その時には、必ず、お名前と取りに見える帰宅されるだいたいの時間をお聞きする。

 “やまぐちです。今から、一曲、歌ってから、帰ります。”

 やまぐちさんの曲、私の好きな“石原裕次郎の夜霧よ今夜もありがとう”

 サントスの街も夜の霧が立ち込め、まだまだ、お若い、やまぐちさん、海岸に出かけ、ありがとうの連発か・・・

 そう、思いながら、爺さん、“夜霧よ♪♪・・・ありがとう♪♪”・・・・と、店先で口ずさむ。

 “やまぐちさんちのおじいちゃん♪♪・・・・このごろすこしへんよ♪♪・・・・”

 いやいや・・・・“みせばんしているじいさん♪♪・・・・へんなきもちになりそうよ♪♪・・・”

 やまぐちさんもみせばんじいさんも、まだまだ、下ネタ、通用します!!!!

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