風よ伝えて(爺さんのブラジル移住)第364段

ブラジリア(その2)

  伯の伯母さんの家についた。

 伯父さんが亡くなられた後、叔母さんは、家族とともに、伯父さんが残された農場を経営してみえる。

 敷地の広さが、なんと、36haと広い。

 手つかずの森もあり、猿たちが住んでいる。

 その猿たちは、食堂の隣の庭にある、柿の木の実が赤くなりかけているのを知り、毎朝、柿を食べにくる。

 満腹になると、さっさと森に御帰りになる。

 

 コテージ風の家があちらこちらに点在し、家族や農業に従事している従業員が生活している。

 バナナ、マンゴ、パパイヤ、ポンカンなどの果樹園や、野菜の畑が広がっている。

 私が作る漬物の材料のキュウリ、ニンニク、ダイコンなど全て作ってみえる。

 ないものは、佃煮に使うワカメとイリコ。

 これは、海の物だから、作りようがない。

 先日、鯛焼にカビが出来た原因と思われる玉子も、広い場所で鶏を飼ってみえる。

 肥料は、全て有機肥料で、全ての果樹園、畑に水が行き届くように、治水設備が整っていて、しかも、その水は、地下100メートルの所からくみ上げている。

 豆腐を作るには、最適の水であろう。

 こんなところで、材料を収穫し、製品にしていけるなら、これ以上の事はない。

 ここで仕事が出来たなら・・・・・・・と、思った。

 「引っ越しして来なさいよ。」・・・・・・・・嬉しい伯母さんの言葉。

 でも、私だけの考えで、このようなことはできない。

 

 私が小学生だったころ、おふくろの実家に遊びに行くと、このブラジリアの農園と少し違うが、梨、葡萄、柿の畑、そして、野菜畑、花畑が広がっていて、その中で、遊んだ記憶がよみがえってきた。

 ただ、ブラジリアには、田んぼがないくらいで、その代わりに、大木が、木陰を作り、涼しい場所としての森を形成している。


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