風よ伝えて(爺さんのブラジル移住)第356段

ウオーキング(その3)

 ウオーキングは、朝7時から8時まで。

 マチダ家に近いスーパーマーケットの駐車場を周回するウオーキングである。

 ブラジルに来る前、日本で4年間続けたウオーキングを、今また、出来ることが嬉しい。

 今参加しなければ、私の人生でウオーキングはなくなってしまう。

 日本にいた頃、おふくろと2人のアパートで、目を覚まし、朝一番に仏壇にお参りする。

 その時、寝ているおふくろに必ず「おはよう。」と声をかけ、おふくろが「おはよう。」と返事をするのを確かめ、ウオーキングに出かけていた。

 1人で、1時間ほど、ウオーキングした。

 私は、65歳で定年退職した。

 それまでは、週2回、知立市に住む私の妹がアパートに来てくれ、おふくろの身の回りのことをやっていてくれていたが、定年退職後は、私が、身の回りのことを見るようにした。

 それを、大変だと思い、伯が、仕事を止めておふくろの身の回りのことをすると言って、2人のアパートに引っ越しをしてきた。

 3人で生活するようになってから、高浜市を流れる稗田川沿いの堤を伯と2人でウオーキングするようになった。

 おふくろが逝き、里山の香りが残り、買い物、病院に行くにも都合が良い東浦町に引っ越してから1年余りは、東浦町の明徳寺川の於大の道をウオーキングした。

 高浜の時、東浦の時も朝、まだ暗いうちに歩き始めた。

 春は、桜の花が散り、桜色になった道を歩き、夏(初夏)は、道沿の桑の木の実を捥いで口に入れ、秋は、真っ赤に燃える彼岸花をみながら、冬は、伯と私の吐く白い息の花。

 四季を感じながら、歩く途中、昇り来る朝日を眺めた。

 伯は、時折、川の鯉に餌をやりながら・・・・・。

 

 ブラジルでは、こんな四季の彩の中をウオーキングすることはできないが、また、歩くことが出来る喜びがある。

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