風よ伝えて(爺さんのブラジル移住)第324段

水曜日(その14)

  もう何回歩いただろうか・・・。

 ブラジルに住み始めた頃、伯と2人でバスに乗り、ここグアリューリョスのセントロに来た。

 私は当然の事、伯もセントロの事はわからない。

 あちらこちら、聞きながら、目的地までたどり着いていた。

 3年以上たち、1人で街中を歩き、あちらこちら行けるようになった。

 半径1キロ以内に収まってしまう丘陵地である。

 1人で思うが儘に歩く。

 セントロを取り囲むようにのっぽのビルが建っている。

 20階以上もあるビルで、サン パウロには30階を超えるビルもあると聞く。

 これは、日本でいう分譲マンションである。

 ブラジルでは、これをアパートと呼んでいる。

 マンションは、もっと広い豪邸を意味している。

 

 のっぽと言おうか、エンピツビルもある。

 伯の弟のキヨカズは、このエンピツビルに住んでいる。

 24階建てのビルの最上階である。

 2度、このビルに行ったことがある。

 最上階からは、遠く、飛行場が小さく見えた。

 エレベーターであるが、3人乗りの古ぼけた小さなもので、上り下りの両方とも、動いているときは、大きな音で「カタコト、カタコト」と・・・・・とても怖かった。

 「早く着いてくれ。」という気持ちだけであった。

 キヨカズの住んでいるビルは、結構古いが、新しいビルには、プール付きやミニサッカー場、子供の遊び場などが設置してあるアパートもある。

 どのアパートも24時間監視付で、用のない者は入れてもらえないし、勝手には入ることはできない。

 アパートは高い塀で囲まれている。

アパートの入り口。

真ん中の建物が監視員が待機しているところ。

キヨカズが住んでいるビル。

最上階、右側の部屋がキヨカズ宅。

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