風よ伝えて(爺さんのブラジル移住)第313段

ちんちくりんの短い足


 先週の水曜日、午後5時過ぎ、伯に1本の電話があった。

 リベルダージの観光ホテルに漬物を納入したいと言ってきたブローカーからの電話であった。

 サン パウロのサウージ地区でレストランが開店するから、「ガリ(寿司屋で使われる生姜の酢漬け)が1キロ欲しい。」とのことであった。

 伯と私は、今度の日曜日の瑞穂のバザールの支度で忙しい最中であった。

 「明日、欲しい。」とのこと。

 ちょうど、モジのふるさと祭りで買った新生姜があったので、気持ちよく引き受け、ガリ作りに入った。

 11時過ぎには作り終えることが出来た。

 「明日、11時にリベルダージのホテルの前で…。」ということで約束した。

 1夜明け、8時にムラタ家を出発。

 バスでいつものようにアルメニアまで、そして地下鉄でリベルダージまで。

 リベルダージ到着は、10時半を少し回っていた。

 ゆっくりと歩き、ホテルの前に・・・・・到着。

 11時になり、伯がブローカーに電話を入れた。

 「インターネットが故障したので少し遅れるから、先に食事をしておいてくれ。」とのことで、すき家に行き、この日は牛丼をやめ、「東京カレー」というカレーを注文した。

 牛丼の美味さに比べ、少し劣る気がした。

 「味は、ブラジルの人に合わせてあるのだろうが?」と思った。

 

食事を終えて、再びホテルの前で待つことにした。

 約束の時間より1時間が経ち、伯が再度、電話を入れた。

 「あと少しだから、もう少し待ってくれ・・・。」

 待ちました。

 30分。

 再再度、電話する。

 「すぐに出ます・・・。」

 それなら、待とう。

 15分が過ぎ、ブローカーから伯に電話が入った。

 「行けなくなったから、ガリはホテルのフロントに預けておいてくれ・・・。」

 伯がポルトガル語を訳し、私に話した。

 「馬鹿野郎!」と心で叫んだ。

 「断って、電話を切れ!」と伯に告げた。

 伯と2人、地下鉄の駅に向かい歩き始めた。

 時折、伯の電話が鳴る。

 「出るな!出なくていい。」

 先日もホテルの前で待ち合わせをした時も30分ほど遅れてきた。

 こんなに時間にルーズなブローカー、自分勝手なブローカーとは商取引をしないほうが良い。

 私が短気であるから、こうなったのであるが、伯も納得した。

 

 ほんの2週間ほどの「1歩前進できるか・・・・・」とワクワクしていたが、商談はお流れとなった。

 私のような「ちんちくりんの短い足で、しかも、デブの足。」

 1歩前進するに、全くもって、似合わない足。

この足で、どのようにして1歩前進できるのか・・・・・。

 また、時を待とうと思う。

 追記:眼医者は、レーザー治療が効き、医者通いは終了した。

    右眼の変形は治らないが、見えさえすればよいと思っている。

    「1年経ったら、また来いよ・・・・。」と、私と同年代の日系の眼医者に告げられた。

    背丈が150センチあるだろうか・・・・白髪の親切な眼医者である。

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