風よ伝えて(爺さんのブラジル移住)第270段

最終章になるだろう

 9月中旬。

 曼珠沙華が咲く頃。

 風に揺れ、野辺の片隅、ひっそりと・・・・。

 されど、真っ赤に燃えるは、私の心、私の魂。

 忘れはしない、あの時握った手の温もり。

 70歳。

 こんなに大きくなってしまった今でも・・・・。

 私の心は、残された最終章を作るため、真っ赤に燃える。

 伯が食品を人生の糧に選んだ。

 それを手伝おう。

 私の人生の最後の仕事になるはず。

 最終章。

 どれだけのことが待ち構えているのか・・・・。

 判らない。

 やってみよう。

 これが、ブラジルに来た目的であったはず。

 残された人生、赤く燃えている。

 私の好きな曼珠沙華。

 お前のように。

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