風よ伝えて(爺さんのブラジル移住)第258段
10月の風(2015年)前段
幼い日の思い出が、鮮やかによみがえった。
だから、書きたくなった。
10月12日、ブラジルでは、子供の日であった。
バラフンダで開かれた子供の日のフェスタに出店するため、朝7時にアグアブランカ公園に到着した。
もちろん、真っ赤なフィットで、伯と2人して・・・。
今日、売るため食べ物が入ったクーラーボックスなどを運びはじめ、ウォーキングコースに通りかかった時の出来事であった。
空は碧く、穏やかな朝の風に包まれ、ウォーキングの人の中に、警察騎馬隊が、馬にまたがり、颯爽と通りかかった。
ゆったりと、ゆったりと・・・。
その時の出来事であった。
私は、見てしまった。
そして、幼い日の1つの思い出が、鮮明によみがえった。
馬が、ゆったりと、ゆったりと歩きながら、尻尾の根元をきゅっと上げ、馬糞を垂らしたのであった。
懐かしい、とっても懐かしい。
幼いころ、私の故郷、高浜では、大きな荷車をつけ、故郷の名産の土管や瓦を積み、馬にひかせている光景が、毎日のように見かけられた。
地道をぽっこぽっこと馬方にひかれ、鉄道の駅まで運んでいた。
私たち、クソガキ連は、見つからないように、そっと、荷車の後ろに回り、荷車に飛び乗るのだが、馬方に見つかり、「こらっ!」と怒鳴りつけられるのがいつもの事であった。
時々、馬が荷車を引きながらでも、馬糞を垂らしていた。
馬が行き過ぎると、馬糞だけが、地道に湯気を上げもっこりと残った。
クソガキ連は、その馬糞を裸足で踏み、遊んだ。
それは、馬糞を裸足で踏むと、馬のように大きくなれると親切な(?)大人に教わっていたから・・・。
私は、今、69歳。
馬糞を裸足で踏んだ効果は、未だ現われていない。
もう少し、様子を見ようか・・・。
来年くらいは、効果が出てくるかもしれない・・・。
いやいや、もう効果は、出尽くしているだろう。
私が裸足で踏みつけた馬糞は、運搬用の馬が垂らしたものだ。
サラブレットの馬糞を踏みつけてはいないのだ・・・。
だから、このとおり、「ちんちくりん」で過ごさせていただいているのである。
竹馬の友、みんな元気でいてほしい。
遠き日は 帰り来ぬとも わが心 幼き日の事 めぐり来るそや
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