風よ伝えて(爺さんのブラジル移住)第252段

 4月の風(2015年)

 2013年4月23日、関西国際空港のポストにお世話になった方々、幼馴染、学生時代の友達、若かりし日のマドンナ、そして兄と妹に、今迄のお礼とブラジルの移住先を書いた手紙を投函し、伯と2人でブラジルに来た。

 砂時計は、さらさらと私達を見守りながら、もう、2年の砂の山を築いている。

 南の優しい風に包まれ、心が落ち着き、ブラジルに来た目的・・・、たった1つの目的を忘れずに、幸せな毎日を過ごすことが出来た。

 伯は、月曜から金曜まで、まだ明け切らない空の中、重いリュックサックを背負い、美容師養成学校に出掛ける。

 忙しい毎日である。

 私は、できるだけ、手伝いをするために、バス、地下鉄を乗り継ぎ、リベルダージやルースまで、リュックサックを背負い、バザール出店のための食材や、梱包材などの買い出しに出かけるようになった。

 また、マチダ家に近い市場には愛車のフィットで出掛け、食材を購入する。

 2年前の「初めてのお使い」はもう卒業し、バス、地下鉄、愛車でお使い、1人で怖気づくことなく買物が出来ている。

 もっとも、ポルトガル語が話せないので、時折り、伯に買物の内容をポルトガル語で書いてもらい、買物をする店に持参している。

 だから、「オブリガード」だけであとの言葉は必要ない。

 そして、4月のバザールは、まだ、出店したことがないバザールに3度出店した。

 全て日系人が開催したバザールへの出店であった。

 サンパウロのアナホーザの北海道会館、グラルーリョスの沖縄会館と文化協会で、グラルーリョスでは、初めての鯛焼、ピリカラ漬の登場であった。

 客足の少なかった北海道会館では、95%の販売であった。

 グラルーリョスの2つノバザールでは、完売することが出来た。

 完売、完売と書いているが、爺さんは、販売進捗表をもとに生産計画を立てていて、決して、大きな葛篭を欲しがっているわけではない。

 小さな葛篭でよいではないか・・・。

 大きな葛篭の中身の怖さ・・・。

気の弱い爺さん、それこそ、開けたら腰を抜かすぞ!

 文化協会では、17時の閉店の処、15時には完売状態であった。

 それで良いと思っている。

 初めて出店するバザールでは、冒険はしない。

 小さな葛篭を幾つも、幾つも集めたら、いつかはその小さな葛篭の中身が、日本の風景と、日本行きの航空券が入っている葛篭に出くわすと思い、小さなことではあるが、コツコツと、コツコツと・・・。

 さて、鯛焼の販売個数は、さほど伸びてはいないが、ピリカラ漬は、順調に販売個数を伸ばしている。

 これは、「キュウリのQすけ」に兄弟が誕生したことが大きい。

 「ニンニク忍者の忍八くん」である。

 ニンニク好きの人には、たまらないようである。

  忍八は、爺さんの知らない間に、1人、1人、ブラジルの街に消えて行ってしまう。

 「忍法、雲隠れの術」を使うのが得意のようだ。

 もう1つは、「ベテハバのベッティーさん」である。

 ベテハバは、日本では、余り知られていない野菜で、株科に属していて、赤カブがなかまで赤く、その菜汁は真っ赤であると想像してください。

 詳しくは、インターネットで・・・。

 その「ベテハバのベッティーさん」は、女性らしく、しとやかに店に並んでいる。

 Qすけ、忍八のように、超刺激的でなく、女性向けに「やわらかピリカラ」である。

 その他、巻きずし、饅頭、餅などを販売しはじめている。

 バザールでは、主催者が作る食べ物、先の回から出店している店に販売する食べ物の優先権があり、私たちが店に並べることが出来ない時もある。

 ただ、昨年のサンミゲルでのバザールの際、少量多品目で販売していて、客を引き寄せていたおばちゃんの教訓のように、少量多品目を目指したいと思う。

 鯛焼は、どの店もやれないので、許可が出やすく、強みである。

 しかし、「珍しい」だけの世界かもしれない。

 時間の経過が、どら焼きと同じになりかねない。

 そうならないように、「あんこ」の研究を重ねている。

 「DAIKITTYのあんこ」は他と比べ、格段に美味いと言われるように・・・。

 「赤福」「大納言あずき」のように有名になるために・・・。

 

 4月決戦は終わった。

 5月は、ピリカラ漬を作り、初めて販売し、3個しか売れなかったパトリアルカのバザールがある。

 そこには、先輩の福神漬けを販売するおじさんが、きっと出店すると思っている。

 「いざ!ピリカラと勝負・・・、勝負・・・。」

 グラルーリョスの4月の空は、真っ青な秋晴れは見られなかった。

 どんよりとした空、そして、肌寒く、心地よい日本の秋はない。

 

 庭には、プランターのキュウリが30センチほどに成長した。

 やっとの思いであるが、実を付けることが出来るのか、心配している。

 日本の夏野菜が、ブラジルでは、秋から冬にかけて栽培する様だ。

 野菜の植え時期を調べると、キュウリの場合は、3、4、5月となっている。

 土の悪さ。

 今回は、草取りで取った草を燃やした場所にたまった土を使ってみた。

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