風よ伝えて(爺さんのブラジル移住)第235段

40日間、日本滞在(その43)

 最後の酒宴

 9月の中旬頃に、一緒に「さんまバーベキュー」をした進一君、鈴香さん夫婦から電話があり、ブラジルに帰る前に、「もう1度一緒に食事をしたい。」との電話をもらっていた。

 食事が出来る日は、もう、今日しかなくなっていたので、26日の夜に約束した。

 今日の昼には、車を返していたので、迎えに来てもらうしかなかった。

 

 テレビを見ながら、寝入ってしまったが、4時半過ぎに目を覚ました。

 5時過ぎに、鈴香さんの運転で、私たちのいるアパートの前まで、迎えに来てもらった。

 助手席には進一君が乗っていた。

 昨日、会社の酒宴で頂いた、花束を鈴香さんに貰ってもらった。

 到底、ブラジルまではもっていくことができない。

 そのまま、アパートの外に置いておくような寂しいことはできない。

 鈴香さんの部屋に飾ってもらった方が良いと思ったからであった。

 車の中は、「ユリ」の香が充満し、いいドライブになった。

 

20分ほどで、進一君が住む半田市の料亭に着いた。

料亭は、開店して1年半ほどが経っている料亭で、まだ、樹の香が残っていた。

庭は、砂利が敷かれ、ところどころに植樹がしてあった。

私と伯は、進一君と鈴香さんと向かい合わせに座り、運ばれてきたビールで乾杯した。

あの「さんまバーベキュー」のように飲み過ぎて、記憶にありませんというようにならないように気を付けながら・・・。

日本料理で、美味しい食べ物ばかりであった。

特に蟹の身がしっかりしていたことには驚いた。

蟹の食べ方が下手な私でも、出された蟹の身の多さにびっくりしたが、それがよかったのか、何時もと違ってうまく食べることができた。

こんな蟹は初めてであった。

「今度、何時会えるか?」と進一君が言った。

「なるべく早く。」としか言えなかった。

今度は、桜が咲く頃に来たいとは思っている。

進一君、鈴香さん、元気でいてくれよ。

きっと、また、来るから・・・。

そう思いながら、酒を酌み交わした。

酔いしれて、さんまのこと、鈴香さんと歌った古希の旅行。

そんな話が、もう、想い出話しになっていた。

伯は、この夫婦や、他に2組の夫婦との再会の席に一緒にいてくれたが、何時もの伯らしく、その人達と仲良く語らっていた。

ありがとう、伯。

 元気でな、進一君、鈴香さん。

     ありがとう 進一鈴香 嬉しいよ

          忘れはしません さんまも今日も

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