風よ伝えて(爺さんのブラジル移住)第166段

水不足

 昨日の事なのです。

 午後5時、いつものように草取りを終えて、部屋に戻った。

 遠く西の空で、稲光、そして、雷鳴。

 真っ黒な雲が、足早にグラルーリョスに向けて動いている。

 南の風がだんだん強くなり、樹々を揺らした。

 雷鳴が近づき、ぽつり、ぽつりと雨。

 風は音を立て、荒れ狂うほどになった。

 日本の台風の様な強い風になった。

 庭の隅の竹藪の竹は、折れそうに揺れていた。

 降り始めて、5分も経たないうちに、雨は横殴りで、庭を叩き始めた。

 大降りになった。

 庭の外の景色は、何も見えない。

 数個の街燈のオレンジ色が遠くに見えるだけになった。

 途端に、ベランダでの雨の音が、バリバリというような音に変わった。

 横殴りの「雹」が降り始めた。

 昨年、朝起きてみると、「雹」が降り、樹々の葉が切られ、庭に沢山落ちていた。

 今度は、初めて眼の前で「雹」が降るのを見た。

 2センチほどの大きさで、球体であった。

 本当に、「まん丸」であった。

 綺麗で、かわいらしく感じた。

 「雹」は、5分ほどで、降らなくなった。

 そして、「停電」になってしまった。

 この雨で、電線が何処かで断線をしてしまったのか?

 雨は、20分ほどでやんだ。

 雷は、だんだんと東に移っていった。

 

 暗闇の中、庭を見降ろすと、ミユキが燃やしていた草から、薄っすらと湯気が立ちこめる様子が見えた。

 あれだけ、雨が強く降っても、まだ草の山は熱く、温度を保っているようであった。

 

 シャワーは、電気で水を温めるため、停電では使えない。

 食事は、「蝋燭」を灯し、いただいた。

 日曜日であり、ピンガで晩酌の日であった。

 蝋燭の明かりの中で、ゆっくりとピンガを味わった。

 パソコンも使えず、草取りの疲れもあり、七時を少し回ったところで、通電を待たずに、寝ることにした。

 朝、起きてみると、通電していたが、インターネットが繋がらない。

 インターネットが繋がらないことはよくあることで、その内に繋がると思ったが、今日は、夕方になり、やっとインターネットが繋がった。

 サンパウロ、グラルーリョスは、水不足である。

 節水の要請が来ているようだ。

 昨日の雨は、久しぶりの雨であったが、貯水槽を満足させるほどであったか疑問である。

 毎年夏には、マチダ家の庭がプールになる様な大雨があると聞くが、今年はそれがなかった。

 草取りが出来なくても良い。

 私達が使っている貯水槽がある場所に、何日でも良い、「雨よ!降り続け!」と叫びたい。

 ブラジルの乱開発か。

 地球環境の変化か。

       何日も グラルーリョスに 雨降らず

                世界の何処かで 大洪水?

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