風よ伝えて(爺さんのブラジル移住)第277段

水曜日(その1)

 この4月から、伯はケーキ作りのコースがあるグラルーリョスの学校に通っている。

 水曜日にケーキ作りの理論を、朝8時半から10時半まで。

木曜日には、ケーキ作りの実習を、8時半から13時半まで。

作ったケーキ等を試食しているが、実習の食べ物で、問題が起きるといけないので、外には出してはいない。

だから、爺さんは食べることが出来ない。

非常に残念である。

 毎週水曜日には、朝7時に2人して車でグラルーリョスまで行き、学校の近くの駐車場に車を預け、レストランでパンとコーヒーの朝飯を食べる。

 レストランの従業員と、もう顔なじみになってしまっている。

 レストランといっても、日本でいえば、巷の食堂である。

 8時少し過ぎ、伯は学校に、私は、グラルーリョスの街でウオーキングを兼ね、坂を下ったり、昇ったり、買い物をしたりしている。

 日本にいた頃は、晴れた日には毎朝、ウオーキングをしていたが、ブラジルに来てからは、ウオーキングをせずにいた。

 だから、週に1度だけだがいい機会と思い、始めた。

 せこ道は、犯罪に巻き込まれやすいので、人通りの多いメイン道路に絞ってウオーキングをしている。

 スマートフォンで写真も撮りたいと、こっそりと密かに素早く撮っている。

 先日、サン パウロの日本領事館からメールが入り、日系の方が、パウリスタ(サン パウロの中心地)でスマートフォンを強奪されたり、後日、再度のメールで、サウージ地区で、ショルダーバッグをひったくられたとのこと。

 これも日系の方だったとか・・・。

 だから、怖いのです。

 「写真を撮っているよ・・・・。」という仕草でなく、こっそりと、密かに素早く撮らなくては・・・・。

 ブラジルに来て間もない頃、この“風よ伝えて”の13段で書いたように、1人で街中を歩くことが出来るようになった。

 商店は、何処に行けば何があるか、わかっている。

 日本の食品の豆腐や油揚げを売っている店のおばちゃんは日系人で、このおばちゃんとだけは日本語で会話ができる。

 あと店ではポルトガル語で話されるので(ブラジルだから当たり前)、黙ってお金を払うだけである。

 1時間も歩き、グラルーリョスのセントロ(中央)に行き、大通りの突き当りにある教会に行く。

 そこで、休憩。

 一番後ろの礼拝の長椅子に座る。

 朝ということで、お祈りされて見える人は少なく、賛美歌もなく、ひっそりとした中、ゆったりとした時間を持つことが出来る。

 神様にお願い事があるわけでもない。

 さらさらと、その時に思い浮かぶ事象。

 いくつかの思い出、いくつかの顔・・・・。

 10分ほどの、幸せ感を味わう。

グラルーリョス セントロの大通り。

付きあたりに、白い教会が見える。

朝の教会。

静かな中、お祈りをささげる人たち。

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