風よ伝えて(爺さんのブラジル移住)第316段

バザリスト(バザリスタ)仲間


 今週は、バザールに出店しない。

 それでも、次のバザールに向けて漬物、佃煮を作っている。

 楽しい毎日である。

 バザールに出店し3年が経ち、我が陣営は、もう、新参者でなく、中堅バザリスト(女性の場合は、バザリスタ)になっている。

 多くのバザリストとバザールで幾度も会い、挨拶をし、友達になっている。

 日本語を話す人もいて、大助かりである。

 

 福山さん夫婦

 私より5歳くらい若いでしょう。

 短髪でゴマ塩頭のご主人。

 姫もゴマ塩頭である。

 もう、20年以上バザリストとして、たくさんのバザール、フェスタに出店して見える。

 ボロボロの車に商品を載せ、やってくる。

 いつも、にこやかな表情である。

 竹製のしゃもじや、スプーンなど、またリンゴ酢に何やら混ぜて熟成させた酢を販売している。

 商品構成は書きようがないが、いわゆる、巷でいうと、雑貨屋風の店である。

 エスペリメンタの代わりに、店の前を通る客にリンゴ酢のチラシを渡す。

 これを何年か続けて見える。

 結構、リンゴ酢のファンが付いていて、1度に10本も買っていく客がいるようだ。

 長年の苦労が実っている。

 我が陣営のALHO NEGROもそうなりたいと思っている。

 杉本さん夫婦

 ご主人、姫ともに45歳くらい。

 ネックレス、ピアスなどを売っている。

 ご主人は、ブラジルの不景気の中で、今年の初めに会社をリストラされてしまい(これが多いようです)、いまは、就活中。

 

 ミドリさんの家族。

 姓は知らない。

 夫婦、兄弟5人で出店して見える。

 ご主人は、按摩、指圧をされ、私もやってもらったが、肩の痛みがすごく楽になった、

 あとの兄弟たちは、クリーン用品とでもいうのか、なんでもきれいにする道具を販売している。

 洗濯機で、洗剤を使わずに何やら、イガイガでプリプリした5センチほどのプラスチックのボールを洗濯機に入れると、洗濯物がきれいになってしまう魔法のボールや、メガネを拭く布や、テーブルなどの汚れを落とす布。

 何やら、魔法使い・・・・。

 サントスさん家族

 お母さんと、息子さんが2人で靴を売っている。

 日系人ではないが、会うたびに、ピリカラ漬を買ってくれる。

 

 山田さん

 35歳くらいの女性。

 1人で出店して見える。

 靴下など日本製の品物を販売している。

 日本まで、買い出しに行かれるそうな・・・・。

 

 ・・・・・・・・・・・・・

 他、たくさん・・・・・・・・・。

 私が日本人で、ポルトガル語が話せないことを知って見えて、日本語が話せる日系のバザリストは、話しかけてくる。

 私が、驚くことは、日系人の大半のバザリストが日本を知っている。

 知っているのでなく、日本で生活したことがある。

 日本で働いた経験がある。

 だから、そのことが、会話の主体になり、私に話しかけてくるようだ・・・・・。

 「○○県で〇〇年働いていたよ・・・。」

 彼らは、日本で働いていたことを懐かしく、語らいでいる。

 こんなに遠くに来てしまった・・・・・・。

 が、こんなに日本を思い、語り合える・・・・・遠い、遠い、ブラジルでの会話・・・・。

 日本語で・・・。

 この人たちとの笑顔の世界。

 遠いブラジルで日本人が、屈託なく、日本人の気質を育み、文化を作ってきた。

 その中に、70歳になる自分がいる。

 肩組み、謳歌しようではないか・・・・小さな、小さな人の輪の中で‥‥。

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